奥様を亡くされたショックで男性機能が働かなくなったご近所の中年男性と妻
2021-11-18
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私と妻は四十路の夫婦で、ご近所のある中年男性と知り合いました。

その男性は権藤さんと言い、出会ったのは一昨年の秋のことでした。

町内会での廃品回収で、一際熱心に働かれていたのが権藤さんだったのです。

年齢は私達夫婦と同じ40代で実直そうな男性で人柄も良く、それは廃品回収での働き振りからも察することが出来ました。

廃品回収後、缶コーヒーを飲みながらの一服中に交わした会話、権藤さんが実は近所に住んでいるといことをきっかけに、私達夫婦と権藤さんの交流が始まります。

料理が得意だという権藤さん。

そう遅くない時期に、互いの家を行き来し、ホームパーティを開くようになりました。

私達は、その交流を通じて、権藤さんの多くを知りました。

早くに奥様を亡くされていること、一人息子は今東京の大学に進学していること等。

もっとも、実感されたのは、その人柄の優しさでした。

その優しさに私たち夫婦は癒され、ますます権藤さんとの距離が近くなり、妻と二人で日曜の夕食の買い物に行くことも珍しくなくなりましたそんなある日、終業時刻に近い頃、権藤さんから電話が携帯に掛かってきました。

話したいことがあるとのこと私達は駅前で落ち合い、駅の近くの喫茶店に入りました。

深刻そうな権藤さんの顔、唐突に切り出した言葉。

「奥様を抱きたいんです」

私は、あまりに常軌を逸脱した会話になんと言葉を返していいのかわからず、じっと権藤さんの顔を見つめました。

常識的には、そんなことは胸の奥にしまって他人には、ましてや、夫には言ってはならないことです。

苦しそうな権藤さん、おそらく、悩みに悩みぬいた末、私に打ち明けたのでしょう。

そのまじめな性格からそのような会話をしたのだということは十分察せられます。

彼の表情にはなにか後ろめいた企みのようなものを感じませんでした。

権藤さんは、決心して語りだしました。

奥様を亡くされた精神的なショックで男性機能が働かなくなったこと、しかし、妻と触れ合ううちに、妻のことを思うとエレクト出来るようになったことだから、苦しい胸のうちを、恥を忍んでこのように話をしているのだと男性機能の回復、それこそが彼にとっては、今生きる中で明るい希望であり、妻に出会うことでそれが夢ではなくなったこと、そんな思いがヒシヒシと伝わってきました。

とんでもない話なのに、彼のつたない言葉の数々は実直で、それをみじんも感じませんでした。

けれども、最終的には私は言葉に窮してしまい、「妻がどう思うかと思います」とだけ答えるのに精一杯でした。

その話を私は妻にすべきかどうか悩みました。

結局、悩んだ末、それを妻に告げるのに一ヶ月を要しました。

それを話したとき、妻はとても悩みました。

「手でしてあげるくらいで駄目かな」

根が素直で優しい親切な妻のこと、結局、放っておけず、彼女なりに倫理観すれすれのところで結論を出したのでしょう。

それが手コキだったようです。

打ち明けてから、そう経たないうちに、決行の日が決まり、それはやってきました。

妻に話すまでの日々を考えると、あっという間です。

当日、三人は言葉を交わすこともなく、打ち合わせの通り、リビングに二人を置いて、私は家を後にしました。

なんとも後味の悪いこと。

この不安で中に浮いた気持ちは何なのだろう。

権藤さんの願望が破綻すればいいような、成功すればいいような複雑な気持ちです。

やがて、居ても立っても居られなくなった私は、すぐさま家に戻りました。

悟られないようにこっそりと、物音を立てずに、気配を気にしながら家の奥へ奥へと私は一心不乱に歩を進めましたそして、そっとリビングの襖の間から中を覗きました蛍光灯の最小にまで落としてあり、部屋は薄暗いオレンジ色に染まっています。

けれども、視野はさほど不自由せず、二人の表情まで識別できます。

むしろ、独特な雰囲気を醸して淫靡です。

権藤さんと妻は並んで、ソファーに腰かけていました。

妻は権藤さんの左隣にいて、二人の距離はつかず離れずと言った感じです。

妻を気使ってか、権藤さんの股間部には膝掛けが被せてあります。

ただ、膝までズボンとトランクスが下がっており、恐らく、腰掛けの下では、ペニスが顕わになっているはずです。

下をうつむいていた妻は、慣れない様子で膝掛けの中に手を入れます。

「あぁ」

権藤さんが低い声を上げます。

妻の手が権藤さんのモノに触れたのでしょう。

あの下で妻の手が、指先が、他人の肉棒に触れているかと思うと心臓が破裂しそうな思いです。

やがて、膝掛けがゴソゴソと左右に動き出しました。

二人とも無言の状態で、私に知るすべは無いようです。

あの布切れの下で、なにが行われているのか気になって仕方ありません。

私のそんな思いをよそに、沈黙の中で膝掛けはしばらく動き続けます。

そんな中、権藤さんが唐突に口を開きました。

「す、すみません、奥さん。もう少しで」

『もう少し』という意味は何なのか

まさか、もう射精をするのだろうかと、一瞬耳を疑いました。

「えぇ、大きくなってきていますよ」

妻が恥ずかしそうに合いの手をいれました。

私はそれで先程の言葉の意味を悟りました。

確かに、膝掛けの真ん中あたりは、テントをはっているかのようです。

「奥さん、ありがとうございます。私一人ではこんなに早くには大きくなりません。」

その通り、妻を思ってするよりも、その当本人にされた方が、効果は一目瞭然でしょう。

「本当にありがとうございます」

権藤さんは心底嬉しそうです。

奥さまを亡くされ、精神的に弱くなっていた男性機能の回復を、妻の手により確実なものとし、男性としての誇りを取り戻しつつある。

そんな様子が彼の笑顔に表れていて、それは一種の清涼感さえ感じさせました。

「いえいえ、私は」

妻はなんとリアクションしていいのかわからないようです。

普通の主婦には、男性器を勃起させて、お礼を言われた経験なんてあるはずがありません。

もっとも、妻の親切心が報われたのは間違いなく、妻も悪い気はしていないでしょう。

また一仕事始めるかといった感じで、再び妻はごそごそやりはじめました。

さっきまでとは違う大きな動き。

しごいているのでしょうか。

しかし、その動きのせいで腰掛けは少しずり落ちたかと思うと、すぐにはだけてしまいました。

明らかになる腰掛けの下、妻の右手が権藤さんのアレを握り締めています。

権藤さんの穏和な性格とはかなりギャップのある大きめの逞しいペニスをです。

私はその状況にクラクラになりそうでした。

腰掛けをまた掛けますが、再びはだけてしまう始末。

終には腰掛けなしになりました。

妻はゆっくりと上下に動かしています。

実にぎこちない手つきです。

手で男性自身を満足させるなんて経験はありません。

それでも、心を込めてただ妻は扱きました。

その光景に眼も眩む思いでしたが、私は、はっと、ローションを用意しておくべきだったと気づきました。

おそらく潤滑油なしでの状態はあまり心地よいものではないはずです。

しかし、萎えることなく持続しつづけるのは権藤さんの妻への思いなのでしょうか。

結局、彼是、15分程経ちましたが、もちろん、権藤さんの肉棒は射精することはありませんでした。

「奥さん、ありがとうございます。もう、いいんです。」

「でも、男の人ってこんな状態は辛いんでしょう・」

親切心から、手コキで楽にしてあげたいと考える妻。

「いやいや、もう、いいのです。私の我侭なのですから。もうこれ以上は」

一瞬間が空き、権藤さんは思い直したように、あの衝撃的な言葉を妻に投げかけます。

「奥さまを抱かせてください。」

「えっ」

妻はやや後退りしました。

「やはり、奥さんの思いをたちきれません。」

真剣な眼差しの権藤さん

「でも私には・・・」

「わかっています。そうなのです、旦那さんがいらっしゃるそれは重々・・」

「ご、権藤さん」

「もし、奥様がお気に召されないのであれば、いつでもやめます。」

権藤さんの役得でしょうか、男性が女性を口説くようないやらしさというものをその口調には感じられませんでした。

他の男性であればどうなることか、しかし、権藤さんのあくまで誠実で真剣な姿勢は、まじめで面倒見のよい妻にとって、男女の仲とボランティアの境を曖昧にさせてしまうような気がします

妻の胸の内にあるものは何なのか、気になって仕方がありません。

「本当ですね、わかりました。ただ約束してください。きちんとゴムをつけること、そして夫には秘密にするということ」

親切心と倫理の間で戸惑った結果、お人よし過ぎる決断を下し、妻は条件を提示します。

「ええ、必ずお約束します。」

「それから、裸になるのは堪忍してください。恥ずかしいですから」

そういうや否や、妻はスルスルとパンティを脱ぎました。

覚悟を決めたら、気持ちの切り替えが早く、変に度胸のある所にはいつも驚かされますが、まさか、こんな時にも彼女の性格が発揮されるとは。

もっとも、妻はHに対して淡白であり、男性さえ絶頂を迎えることができれば、それで済むのだと思っているところも関係しているのかもしれません。

権藤さんの身体がソファーにもたれている妻にかぶさります。

そして、首筋に軽くキスを・・・。

「奥さん、失礼します。」

妻の太腿に権藤さんの手が触れます。

そして、そのまま、スカートの中を潜り、妻のアソコへと伸びていきました。

妻は、このボランティアが早く終わるよう耐えることを決め込んでいるようで、眼を閉じたまま、特には拒む仕草を見せません。

妻のスカートの中でがさがさと権藤さんの手が動いています

さっきとは逆の構図です。
権藤さんは遠慮からか、愛撫を性器のみにとどめているようで、他の部位に触れることはしません。

もっとも、濡れやすい妻のこと、結果的には、それで十分なはずです。

案の定、権藤さんの指先にも時間が経たぬうちに湿り気を確認したようです。

ソファーに仰向けになっている妻の股の間に権藤さんが入り込み、妻の性器にペニスをあてがいます。

「奥さん、挿れますよ。」

妻はコクリとうなずきました。

それを合図に、太い亀頭が妻のアソコをニュッと押し広げ、ヌププと挿入されていきます。

「あぁァっ」

いつもは声を出すことのない妻も、さすがに小さく声を漏らしました。

己の膣で他人の肉棒を扱くこととなる妻。

胸が痛いのに、でも、興奮してしまう私。

「あぁ、奥さんの中に入ってますよ。奥さんが絡み付いてくる!」

感極まった口調です。

一旦、根元まで肉棒を入れきったのでしょうか、権藤さんは妻の中を堪能するように動きを止めました。

「ああぁ、夢みたいだ。」

失われていた感覚を取り戻し感無量の権藤さん。

妻を使ってというのが私を複雑な気持にさせます。

やがて、権藤さんは、腰を動かし始めます。

最初はゆっくりと、次第にピッチを上げて、突き上げる度、妻の大きなお尻がたわわに揺れ、ソファーが軋んでいました。

一方、妻は眼を閉じ、口を真っ直ぐに結んでいます。

その表情は、何かに耐えているかのようです。

この行為が終了するのを待っているのでしょうか。

しかしながら、そう易々と終ってくれるはずはありません。

妻の腰に手をあて、正常位で突き上げていた権藤さんは、己の肉塊を妻の奥へ奥へと打ち込むように、妻の足を自分の肩に乗せ、一層強くピストンしはじめました。

くの字に折れた姿勢で妻は、グァングァンと突き上げられています。

まるで、犯されているかのよう。

「はぁ、はぁッ」

真っ直ぐに結んでいた妻の口が緩み、荒い息遣いが漏れはじめます。

外見からは何が起きているのか察することはできませんが、おそらく、権藤さんの太くて長いペニスが、妻の子宮を、今までに経験したことのない感覚で突き上げているに違いありません。

ズンズンとした腰のグラインドに合わせ、しなる妻の肉体。

妻の瞼は相変わらず閉じたままですが、時折、眉を寄せ、苦悶とも快楽とも取れる表情を見せ、私にとっては非常に悩ましく思えました。

権藤さんは調子を得たのか、ピストンがリズミカルで力強いものになっていきます。

「はぁ、んはぁ、ぁっ」

妻は、更に息を荒げ、権藤さんの背中に手を回し、ひしとしがみつきました。

密着する二人。

ギシギシと軋むソファー。

「お、奥さん、いい、いいですよ。」

権藤さんは、一心不乱に妻の身体で快楽を貪っています。

「お、奥さん・・・、いいですッ!」

何度も同じ、台詞を繰り返す権藤さんそんな権藤さんに、妻が挿入後はじめて口を開きます。

「はぁ、はあぁ、権藤さんっいい?気持ちいいッんですか?」

「えぇ、さ、最高ですよ。旦那さんに申し訳ありませんが」

妻の閉じていた眼がゆっくりと開き、権藤さんと視線が合います。

「奥さまはどうです?」

「はぁふっ、やだぁ。んはっ」

妻は、さっと視線をそらしました。

追い掛けるように、権藤さんが唇を寄せます。

なかば強引なキスでしたが、妻はそれに応えるように自ら唇を重ねました。

妻が自らそんな、私は思わず身を乗り出しました。

今までは、受身だったのに完全に寝取られた感じです。

しかも、権藤さんの舌を受け入れているようです。

ディープキスは日頃いやがっていたはずでしたが、逞しい雄の象徴で妻は雌になってしまったのでしょうか。

舌と肉棒の侵入を許し、口内と膣内をかき乱されている妻。

多い被さった権藤さんの胸の中で犯されている妻。

普段の貞淑で優しい妻の姿はどこへやら、妻がとても淫らに見えます。

二人の長い接吻は終り、唇を放すとタラーッと睡液が糸を引きました。

権藤さんの腰の動きが早くなっていきます。

絶頂が近いのでしょう。

「奥さん!イク、いきそうです。」

腰使いが、更に加速していきます。

「奥さん、奥さん」

権藤さんのカラダがピクっと跳ねた後、全身がわななきました。

そのまま動かない二人。

はぁはぁと息遣いだけが聞こえます。

しばらくすると、権藤さんは腰を引き、ペニスを抜きました。

コンドームの先には大量の精液が。

「沢山でましたね。」

妻はコンドームを優しく、はずします。

そして、結んで閉じるとテイッシュに包みました。

「これは私の家で捨てましょう。」

権藤さんが妻の手からテイッシュを受けとります。

「おっと、こんな時間。旦那さんが心配しているでしょう。」

それを聞くなり、私は反転し、玄関に向かいました。

玄関を静かに開け、家を出ると、私は駆け出していました。

訳もなく、一心不乱に走りました。

頭の中は真っ白で、なにも考えられません。

興奮か、混乱か、それさえ定かでないのです。

どれくらい走ったのでしょうか。

足を止めると、そこは家からかなり離れた高台の公園でした。

ゆっくりと夕日が沈んでいきます

もう、こんな時間になっていたことに気づきました。

オレンジ色に染まった空を見ると、すこしだけ気持ちが落ち着いて来ました。

しかし、それも束の間。

オレンジ色の空が、あの部屋の照明を思い出させ、二人の行為をフラッシュバックさせます。

妻に、覆いかぶさった権藤さん。

静かな息遣い。

交わる二人の肉体。

重なる唇。

知れたる妻なのに、それはとてもとても艶やかでいやらしかった。

なんとも。

ブルルルル、携帯のバイブレーションが私を現実に引き戻しました。

妻からです。

画面をしばらく眺め、意を決し、携帯電話を耳にあてます。

「もしもし、あなた?」

何故だか、妻の声が懐かしく聞こえました。

遠くに行ってしまった誰かと再会して話すような懐かしさです。

「どこに居るの?終わったよ」

「終わった?」

「うん、終わった。」

『終わった』という言葉が、私の中に重く沈みます。

本人は何が終わったというつもりでしょうか。

私が目撃したあの行為でしょうか。

まさか、私が知っているとは思ってもいないはずです。

「大丈夫だった?」

「ええ・・・。」

少しだけ、声がトーンダウンするのがわかりました。

「本当に?」

「うん・・・、大丈夫だよ。それより、早く帰ってきてね。」

「ああ。今から帰るよ。」

少しの間の後、携帯電話はプツリと切れました。

私は、携帯をひしと握り締めると、妻の言葉に後押しされるように、高台から坂を下り始めました。

家に帰れば何が待っているのか、深く考えたくはありませんが、今は家に帰ること、それだけです。

高台からの坂道を下りきると、握り締めた携帯がブルブルと再び振動を始めました。

携帯を耳に持って行き、真正面に顔を向けると、50メートル先に男性が携帯を持ってこちらに軽く会釈をしているのが見えます。

権藤さんでした。

私達は、また、駅前の喫茶店に入りました。

「私には説明責任があるんじゃないかと思いまして」

権藤さんは、以前、喫茶店で打ち明けた時よりも、更に緊張した趣で、話し出します。

私は、真実を知っているだけに、何が彼をこうにまで、硬直させているのかは判ります。

もっとも、こちらがすべてを知っているとは、つゆとも思わないでしょう。

そんな情報の優位からか、私は妙に冷静でした。

どんな言葉が続くのか、そう考える余裕さえありました。

「お二人にはなんとお礼を申し上ればいいのか。お陰様で、固さを取り戻すことが出来ました。」

彼は、軽くその場で頭を下げた後、自分の分身が固さを取り戻していく様を、忠実に、私へと説明しはじめました。

「明かりを落としてオレンジ色になった部屋で、私達は、ソファーへと腰掛けました。私は奥様を左にして、どうしようもないくらい心臓がドキドキしていました。」

唇をかすかに震わせながらも、一言々々、言葉を選びながら話を続けます。

「奥様のことを考え、私は、ひざ掛けを掛けました。もちろん、その下では、私はなにも身につけていません。」

権藤さんはコーヒーを一杯口に含むと目を閉じました。

「二人とも、次にどうアクションを起こせばいいのか、どちらが先手をとるのか。互いに固まってしまいました。あれほど、どうしようもないくらい長く感じられた時間はありません。」

彼は、目を閉じたまま、話を続けます。

記憶を引っ張りだすように瞼に写ったあの情景を思い出そうとしているのでしょうか。

「しばらくすると、奥様の指先が私の分身へと触れ、思わず、全身に電気が走りました。奥様の指が柔らかで、少し寄った時に香った奥様の髪の匂いがなんとも言えませんでした。全てが特別でした。」

私は、目を閉じた彼の顔をじっと見つめました。

もし、彼が目を閉じていなければ、視線のやり場に困っていたことでしょう。

彼が目を閉じることによって、互いの顔色を窺わなくてよいのです。

「私の中で何かが沸騰し始めていることに気づきました。もう少しで、求めていたあの感触を取り戻せる予感がしました。そして、ついに、握り締めた奥様の手の中で、分身がズンと天を向いたのです。永らく忘れていた感覚でした。このまま死んでもいいとさえ感じました。」

心持ちか、権藤さんの頬が赤みを帯びているような気がします。あの情景を思い出して、興奮しているのでしょうか。

「それに続いて、勃起した肉棒を扱かれる感覚・・・。まさか、こんな感覚を再び取り戻せるとはおもいませんでした。奥様は俯きながら視線をそらして扱いてらっしゃいました。扱く動きでは無理があるのでしょう、何度も腰掛がはだけ、その度に、奥様はお戻しになりました。それでも、はだけてしまう。ついには、奥様は掛けるのをおやめになりました。」

あの思い切りのよい献身的な姿は私も忘れられません。

「そこまでされて、献身的に他人のペニスを扱く奥様の姿のいじらしさに私は胸を打たれました。けれども、射精に至らない自分へのジレンマ・・・。」

そこまで言うと、彼は閉じていた目を開き、またコーヒーを口に含み、下へ視線をやりました。事実を伝えるつもりなのだ、私はそう察しました。

「実は・・・。」

もちろん、私は、その先の出来事を知っていました。

そして、「全てを知っている」と権藤さんを無碍も無く静止することも出来ました。

しかし、私は、敢えて、それをしませんでした。

償いとして、全てを告白させようという意地の悪い気持ちと、権藤さんの口から語られる情事を聞いてみたいという気持ちが、それを思いとどまらせたのです。

思えば、あの瞬間、止めに入らずに覗いていた心の奥底と関係があるのかもしれません。

「はぁぁ・・・。」

権藤さんは、深いため息をつくと、小さな声で続けました。

「私は・・・奥様を抱いてしまったのです。」

私は、目をそらさず、権藤さんの顔を見つめました。

「奥様の健気な奉仕にも、私は、射精することができず、射精に至らない自分に対する葛藤のようなものを感じました。独りよがりな葛藤です。」

権藤さんは、私から視線をそらすように、再び目を閉じます。

それでも、彼はありのままを言い続けます。胸のうちを振り絞ります。

「回復した分身に、射精、そして、女体という更に至上の喜びを与えたいという衝動、今そばに居る奥様を抱いてみたいという欲望、全てが入り混じったとき、思わず、『奥様を抱かせてください。』と口にしていました。私は、なんとか奥様を言いくるめようと、必死でした。」

こんな気持ちで、あの場に居たのかと・・・、衝撃的でした。

「優しい奥様は、私の無理な願い事を、旦那様にはもちろん秘密の上、ゴムをつけるという条件と引き換えに、承諾をしてくださいました。悪いのは私です。奥様の優しさに付け込んだのも同然です。」

権藤さんの話は止まりません。罪悪感からか、全てを告白しなければならないかのように喋り続けます。

「恥ずかしいからと、パンティだけを脱いだ奥様の中に私は挿入しました。奥様の中は、暖かく、私のペニスを優しく包み込みました。まるで、再び、童貞を失ったような気持ちでした。引き抜こうとすると、私のイチモツに奥様が絡み付いて、腰砕けになりそうでした。突き上げる度、服の上からも乳房が揺れるのがわかり、しばらくすると、奥様の頬がうっすらと桃色に染まって、じんわり汗を吹き出していく様子に益々欲情してしまいました・・・。」

「たまらず、私は欲望に任せるまま、奥様の足を担ぎ上げ、己の肉塊を打ち付けました。その時の眉間を寄せた奥様の表情が悩ましく見えたこと・・・。奥様が私にしがみついて、身体が密着し、私は一つになりました。全てが最高でした。」

興奮が極まっていくのでしょう、権藤さんの言葉の一つ一つが次第に力強くなっていきます。

「私は思わず、いい、いいと連発しました。それからは、無我夢中です。射精の感覚が近づいているのがわかりました。久方ぶりの射精です。しかも、奥様というすばらしい方を相手にしての射精。私は幸福感に包まれたまま、絶頂を迎えました。」

すこし間を空けた後、権藤さんはゆっくりと続けました。

「行為の後、奥様は、コンドームを処理してくれました。実にけなげな奥様ですね・・・。そんな奥様を見ているとムラムラとしてきて・・・、射精したペニスを口で清めて下さいますか?と、私は口に出してしまいました。」

まさか、私が立ち去った後にこんなことがあったとは知りませんでした。私の手がじんわりと汗ばんでいきます。

「口でですか・・・。」

喫茶店に入った時の様な余裕は少なくなり、私は沈黙を破らざるを得ませんでした。

「ええ、口でです。すみません、私は取り乱していたのです。もちろん、奥様は一瞬驚いたような顔をされていました。けれども、優しさからでしょう、ソファーに腰掛けた私のペニスを口に含んでくれました。」

ソファーに腰掛ける権藤さんの股間に顔を埋める妻の姿が浮かびました。なんとも強烈な光景です。

「そして、なれない様子でしたが、搾り取るように咥えつつ、舌で舐め取ってくれました・・・。」

文字通り妻は清めたわけです。信じられませんでした。

けれども、あの場の雰囲気で親切心が極まってということも否定できません。

「モゴモゴとぎこちなく口を動かす奥様・・・。奥様の口の中に私の残り汁が入っているのがわかりました。私は不思議な衝動に駆られて、奥様の唇を奪って舌を入れてしまいました。実に変態的な行為です。」

なんと、清めた妻の口の中に・・・。私は想定外のことに唖然としました。

「私は、奥様の舌に自分の舌を絡みつかせました。奥様はあっけにとられて、私の為すがままそれを受け入れられました・・・。」

『受け入れた』、この一言に、脳髄をハンマーで直接叩かれたような衝撃が走ります。

想定外の行為は、更に、信じられない結果を生むのではないか、つまり、また交わるのではないか・・・と頭に疑念がよぎりました。

もしそうであれば、今度は最初の奉仕としての行為でなく、男女の情事そのものであることは認めざるを得ない・・・。

「奥様と私の舌はザーメンを絡めあってグチャグチャと卑猥な音を立てていました。私は、もう、どうしようもないくらい興奮をしていました。」

私の心拍数は確実に上がっていっていきます。

そんな戸惑いをよそに権藤さんは話しを続けました。

「しかし、唇を離すと、奥様は、『もう、堪忍してください。また、これ以上は・・・。』と困った顔をされました。そこで、私はやっと我に帰ったのです。」

私は、軌道修正をした妻に内心ホッとしました。

「性欲とは恐ろしいものです。最初は、私一人で押さえこまなければならない欲望だったのに、奥様の優しさに付け込んで、あれよ、あれよと、奥様を・・・。もう、弁解の仕様はありません。」

この懺悔の気持ちを伝えるために、あの場所で、彼は私を待っていたのでしょう。

「私は、少し気まずい雰囲気の中、帰り支度をしました。その中で奥様が私にふと尋ねられました。『なぜ、私だったら良かったのですか?』」

確かに、それは気になる事項でした。

なぜ、妻のことを思うとエレクトできるようになったのでしょうか・・・。

「私は、奥様の真摯な視線に正直に答えました。『あなたが亡くなった私の妻に似ていたからです・・・。』」

「私の妻が権藤さんの奥様に似ているのですか?」

「ええ。奥様も同じ質問をされましたよ。『私が権藤さんの奥様に似ているんですか?』と。たしかに、奥様は私の妻に似ていました。容姿も、性格も雰囲気も、全てがそっくりでした。」

妻に権藤さんの奥様の面影を見出したこと、これが、彼を突き動かしていたのでしょう。

彼の不能だったイチモツを甦らせてしまった妻・・・。

全ては、権藤さんと権藤さんの奥様との愛の記憶なのでしょうか。

「だからといって許されるわけではないのは承知しています。ただ、奥様と一緒のときは本当に楽しかった。」

心底嬉しそうな感じが、口調から読み取れます。

「『あなたに会うたび、いつも妻に会えたようで楽しかったですよ。そして、今回のことは、奥様には大変申し訳ないことをしたと思います。でも、妻で、私の中がいっぱいになりました。』」

権藤さんは妻に話した台詞をそのまま私に喋りました。

「『奥様をとても愛してらっしゃったのですね?』と聞かれ、私は沈黙しコクリとうなずきました。」

しばらく、権藤さんは無言になりました。

「私の目が潤んでいるのが自分でもわかりました。そのまま、私達は玄関に行きました。帰り際、奥様は小さな声でおっしゃいました。『また、奥様に会いたい時は、私が奥様になります・・・から。』」

妻が、そんなことを・・・。

「妻が『権藤さんの奥様になる』と言ったのですか?」

「ええ、おっしゃいました。小さな声でしたが・・・。私はどういう意味だろうと考えてしまいました。」

確かに、どういう意味なのでしょうか、肉体関係を許すということなのでしょうか。

「考えた末、奥様に正直に伺いました。」

「正直にですか?」

「ええ、『聞き間違いで無ければ、今、私の妻になるとおっしゃいませんでしたか?奥様にはだんな様がいらっしゃるのに?』と。」

「妻はなんと?」

権藤さんは妻の台詞を繰り返します。

「『ええ、私には夫が居ます。とても愛している夫が居ます。そして、権藤さんもとても愛している奥様がいらっしゃった。でも、亡くなられて、今は居ない。私は、夫を愛することが出来ますが、権藤さんは出来ない。私は夫をとても愛している分だけ、権藤さんの辛いお立場がわかるのです。だから』」

「だから?」

「『権藤さんのお気持ちが少しでも楽になればと・・・』」

「そんなことを?」

「ええ、そうおっしゃって頂けました。」

愛するものがいるから、愛するものが居なくなったものの立場がわかる。

だからこそ、愛するものが居るのにもかかわらず、愛するものが居なくなったものの慰みを引き受ける

つまり、私を愛しているからこそ、権藤さんの奥様の身代わりになるのだということ

権藤さんがいたたまれなかったというのはわかります。

けれども、屈曲している論理に、私は、困惑してしまいました。

しかし、そんな妻を責める気にもなれませんでした。

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